簡単にこのシナリオのコンセプトを映画に例えて説明すると、 ターミーネーター2+機動警察パトレイバー2+装甲騎兵ボトムズ となります。ロボット好きにはたまらない映画とアニメを組み合わせた、 手前味噌ながら、理論的にもオタク的にも楽しいものにしたつもりです。 それでは、稚拙ではございますが、どうぞご覧くださいませ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「先行者機械人」 あの激烈な戦いが終わってから、十年の時が流れました。 かつての対立は解消され、世界はひとつになろうとしていました。 何千年も続いた悲しい戦争もようやく終わりを告げ、 やっと、平和な時代がはじまることを、誰もが喜んでいました。 もう、お腹をすかした子供が泣きながら死んでしまうこともありません。 もう、荒れた大地に手足をなくした兵士のなきがらが続くこともありません。 もう、誰も戦ったり争ったりしたいとは思いませんでした。 豊かな国は貧しい国を支え、強い国は弱い国を守り、 豊かな人は貧しい人を助け、強い人は弱い人をかばうようになりました。 そんな新しい時代を支えたのは、かつては兵器として使われていたロボット達 でした。武装を解かれ、装甲をはずされ、「人の役に立つ」という本来の機能を 取り戻したロボット達は、心なしか幸せそうに見えました。 子供が迷子になれば、巡回ロボットがおうちに帰してあげます。 急に病気になっても、救急ロボットが30秒でかけつけます。 強盗が襲ってきても、警備ロボットが武器だけを蒸発させ捕まえます。 もう、誰も武器や兵器を持とうとは思いませんでした。 少しずつ、少しずつ、世界中から武器や兵器が消えていきました。 誰もが、幸せな時代の訪れを予感していました。 だがそれでも、見えないところに、戦争の傷跡は残っていました。 大戦末期に造られ、解体されるのを待っていた最新型ロボット兵器群が、 人間の制御を離れて一斉に動き始めたのです。 戦争に敗北しても報復できるようにと、当時のロボット開発者たちが 極秘裡にオペレーティングシステムに潜ませていたプログラムが、 誰にも気づかれないうちに十年の時を経て起動したのです。 当局は開発者たちを捕らえようとしましたが、全員が終戦直後に自殺し 研究所を爆破していたため、プログラムの停止方法さえつかめません。 武器も兵器も失い、軍隊までも解散した今の人類に、 500万体を越えるロボット兵器群に対抗する手段はありませんでした。 それは人類を何百回も滅亡させるに足る破壊力を秘めていました。 地平線の果てから雲のように湧き上がり、空を覆うような大群となって 飛来する彼らの前に、誰もが絶望し滅亡を予感しました。 ほんの少しの、例外を除いて。 かつて「先行者」と呼ばれるロボット兵器を操り、無数の戦場を駆け抜けた 人達がいました。ワン大尉を中心とする最強部隊のひとつ「中華陸軍」です。 「中華陸軍」の生存者はワン「大佐」の呼びかけに答えて再結集し、 かつての戦場で破壊され放棄されたままになっている「先行者」の部品を 拾い集め、苦心して組み合わせ、数機の「先行者」をつくりあげました。 弾丸は、1000発ほどしか残っていません。 パイロットも、ほんの数人しか残っていません。 でも、「先行者」には「中華キャノン」がありました。 大地のエネルギーを吸収し、一点に集中して放つ光線は、 人間などの生物にはまったく無害ですが、 ロボット兵器のように金属でできた物体には無限の破壊力を示します。 瞬時にロボット兵器群を掃滅する大地の一撃が、 今、ふたたびよみがえったのです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− [ゲーム中ストーリー] パイロット(主人公)の操る「先行者」は、 500万のロボット兵器群の司令部にあたる「アドクラス」を攻撃します。 リーファがプログラムを解析した結果、司令部が壊滅した場合、 それに操られる他の兵器群は機能を停止する事が判明したからです。 「アドクラス」だけでも1000体を数える大軍ですが、 勝つ保証はなくとも希望はありました。 かつて、「中華陸軍」には、 「先行者」1機で1000機の敵を破壊したパイロットの伝説がありました。 そして、今の「先行者」の「中華キャノン」には、 かつてのそれをはるかに凌駕する威力がありました。 「先行者」が「心」を持ち始めていたからです。 大地の力のみならず、大気に満ちる人の怒りや悲しみも吸収して、 一撃で「遊砲」をまとめて破壊するようになっていました。 さらに基本的言語能力から知能が進化したのか、 倒した敵からガトリング弾を奪うこともできるようになりました。 さらに今回は、ワン大佐とリーファも一緒に戦います。 彼らの先行者は部品が足りず、呼ぶとすぐに現れ攻撃を開始し即座に戦場を離脱します が、以前よりも心強い支援要請といえました。 戦場によっては、はからずもワン大尉と同様の行動に出ていた川村三佐が、 「突牛」を操って主人公を支援します。運命の皮肉をぼやきつつ。 そしてついに、「アドクラス」の最高指揮ロボットに遭遇します。 「小柄な移動要塞」と言える最高指揮ロボット「万号」の激しい攻撃をかいくぐり、 これを破壊すると、500万のロボット兵器群はぴたりと止まりました。 これで本当に人類は救われた、全ての兵器は今度こそ完全に消滅した、 と、数十億の熱狂的な歓喜が大気を震わせました。 ですが、代わりに、「先行者」が制御不能に陥りました。 先行者は両目を明滅させてモールス信号を送ります。 「まだ、兵器が残っている」 そして自分自身を指差しました。 「これも破壊せねばならない」 ワン大佐はパイロットに自爆ボタンを押すことを命令しました。 命令しながら、泣いていました。 そして、そして、長い沈黙のあと、先行者の望みはかないました。 「ニーハオ」としか言えなかった「先行者」ですが、 最期に、「ツァイチェン」と言ったような気がしました。 不思議とその顔は笑っているように見えました。 こうして、最後の戦いは終わりました。 未来に至る道は、まだ闇に閉ざされています。 ですが、「先行者」が人の命の大切さを学べるなら、 私達人間に学べないはずはありません。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− [用語解説] 「遊砲」→「浮遊砲台」からネーミング。ゆうほう。UFOっぽい。       ゲーム中では「外見の違うテムザック」として処理。 「突牛」→「突撃する牛」からネーミング。とつぎゅう。特急っぽい。       ゲーム中では「外見の違うT5」として処理。 「万号」→「万の軍に号令する」からネーミング。ばんごう。       ゲーム中では「外見の違うT5が浮かんでいる」として処理。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 2001/6/16/AM0527